前回の記事では一ヵ月あたりの受給額を増やすために繰り下げという手段もあることをまとめましたが、では皆が皆繰り下げ受給をすることが鉄板的なノーリスクのアクションなのか、と問われると答えはノー。
そもそも前提として夫婦で暮らしているのか、独り身なのかによって条件が大分異なってきます。
共働き夫婦の年金は、夫の年収がキリよく500万円だったと仮定しましょう。
そして厚生年金期間が40年と計算すると、年に190万、月額で約15万8千円の受給金額になります。
一方の妻の年収を300万円で、同じく厚生年金期間を40年とすると、年額約145万円=月額約12万円、受給出来る計算になるんですんべもらえる計算になります。
夫婦合わせておよそ27万8千。
この額で、十分やりくりできるくらいに貯蓄があるなら、前回まとめた繰り下げ受給を検討する必要性は低くなりますし、逆にこれでは足りないのであれば繰り下げ受給を選択すると良いでしょう。
夫婦合わせて年額約335万円もあれば、そんな足りなくなるケースなんてあるの? と思われるかもしれませんが、共働き世帯は支出も多い傾向があるんですよね。主に、食費で外食、ちょっとリッチなデパ地下での総菜、普段食べないような鮮度抜群の刺身を買ってくる、なんて具合に支出が多いそうです。
まぁ、これ調べた時、私、かなり驚きましたね。
共働きの方の外食頻度は月に2回~3回が最も多く、次に週一のペースらしいです。
私、週に一、二回ペースでかなり上回っているんですけど(-_-;)
私の場合、食費がかなりかかっていまして、その分、衣類や遊行費がかなり低いんですよね(-_-;)
ちなみに共働き二人暮らしの理想的な食費は6万円前後、とされています。
……大学卒業時にガッツリ自炊していた時は月に2万5000円の食費で済ませた時もありましたが、今は3万5千円は使ってるからなぁ、ヒドイ時には4万5千を超えてしまいます。
食費に金を使い過ぎです、私。
おっと閑話休題。
定年まで勤めたとして、勤め先の会社で再雇用や再就職ができるのであれば、その期間年金の受け取りを繰り下げた場合については前回の記事でまとめています、ご参考までに。
で、そういった資金面で繰り下げ受給を考えると思うんですが、問題は『いつまで繰り下げるのか』です。
ちょっと想像してもらう前に、貴方は今、何歳でしょうか?
私は40代(これを書いている時点で42歳)なんですが、75歳まで年金の受給は繰り下げることが可能ですが、あと33年も働けるか、というのがどうにもイメージ出来ないんですよね。
いや、体が今と同じように動くのであれば全然OKですよ?
でもね、同じ会社で働いている上司や年上の同僚の方がやれ糖尿病だ、痛風だ、ギックリ腰だ、心臓のバイパス手術をした……いや、とてもじゃないですけど健康そうな方が少ないこと少ないこと(T‐T)
私の父も先日脳出血で倒れてますが、その年齢が70歳。
ウチの会社で嘱託として働いているまだまだ元気そうな方も71歳……あそこから4年も働くのかぁ、うーん(-_-;)
イメージが中々沸かない、というのもありますが75歳まで待つより、70歳で繰り下げ受給をした方が得なケースもあることにはあるんですよねぇ。
以下は厚生労働省の試算になります。
1975年以降生まれの方が、65歳を迎える頃には男性で40%以上、女性で70%近くの方が、90歳まで存命していると試算しています。
この試算に基づいて『90歳まで存命している』ことを前提に、ライフプランを立ててみましょう。
一つは70歳まで年金の受給を繰り下げたパターン
もう一つは、75歳まで年金の受給を繰り下げたパターンです。
人によって年金の受給額は異なってくるので正確な計算は省きますが、70歳まで繰り下げようが75歳まで繰り下げようが、共通している事柄があります。
それは、1年に受け取る年金額は、当然ながら75歳まで繰り下げた方が多くなるという点です。
ならば75歳まで繰り下げた方がいいじゃん、となりますが91歳以上まで生きるとすると、70歳からおよそ4割増しで年金を受給した方が、一生涯で受け取ることが出来る年金総額は多くなるんですよね(-_-;)
考えるべきは年金受給の「損益分岐点」。
この損益分岐点の目安は、受給開始から11年11ヵ月が目安。
そうは言っても、人は備えがあれば憂いが減る生き物でもあります。
そもそも年金という制度自体が、長生きに備えることを目的とした保険の一種です。
高齢になってから年金を多く受け取りたい、というのはごくごく自然な考え。
だってそうでしょう? 先ほども書きましたが、私の会社の上司や年上の同僚は糖尿病だ、痛風だ、ギックリ腰だ、心臓のバイパス手術をした……ああ、他にはガンを患って闘病されている方もいらっしゃいましたね……
とにかく、身体が若いころと同じようには動かない=メンテナンス費用がかかるのです。
主に、医療費や介講費に備えたい、と考えるのはごくごく当然の考えでしょう。
ですので、そういった万一の事態に備えるのであれば75歳から受け取るのも良いでしょう。
一応付記しておきますが、65歳から繰り上げて60歳から年金の受給を開始した場合の損益分岐点は80歳10か月になります。
あと繰り下げ受給を希望する方は66歳の誕生日を過ぎてから、年金事務所で所定の手続きを踏む必要があります。
もしくは街角の年金相談センターでも同様の手続きが出来る模様。
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