これまでは年金や年金に伴う損益分岐点(いつから年金を受給するのが良いのか)や、年収の壁にまつわる話題をまとめてきましたが、今回は……いや、今回も年金ですね(-_-;)
今回紹介する年金の情報は、在職老齢年金についてです。
そもそも在職老齢年金って何? と首を傾げる方もいらっしゃるかと思います。
かくいう私も、調べてみてはじめて知りました(^o^)
いや、終活する上ではお金は切っても切り離せない話題ですし、お金は命綱になりうる問題ですので、面倒だからと避けていては最後に苦労するのは私なので(--;) と言うか、人生の終盤で『あの〇〇万円があったら……!』なんて状況には陥りたくありませんからね(--;)
さて、話を在職老齢年金に戻しますが……なんかコレ、見た感じわかりにくいんですよ(--;) どうにかしてこの在職老齢年金の情報をわかりやすく手短にまとめていこうと思いますm( _)m
在職老齢年金は、端的にまとめますと……まず、貴方が60歳以上であったと仮定します。
それでですね、会社などで働いていれば、貴方の給料は厚生年金で給与から引かれているはずです。
お給料をもらいながら受け取れる老齢厚生年金、と考えて下さい。
対象者は在職中、年金を受け取りながら厚生年金保険に加入し続けますので、厚生年金に加入していない人は対象外です(日雇い労働者、個人事業主など)
で、この在職老齢年金の対象者は会社員として働いている訳ですから、先述したようにお給料を会社から頂いている訳です。
このお給料(ボーナスがあればボーナスやその他の報酬も含む)と年金の合計額があるラインを超えると、年金の一部、もしくは全てが支給停止(減額)されてしまうんです。
現在60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金は、上述したように働きすぎると年金が支給停止となってしまうので、働く時間をセーブする人が結構いるんですね。
以前は、この支給停止となる賃金と年金の額の合計は28万円でしたが、現在は50万円(ちなみに2023年は48万円でした)
ちなみに男性は1961年年4月2日以降、女性は1966年4月2日以降生まれの方は、65歳前の年金はないので、気にかける必要はありません。
なお、この支給停止基準額(50万円)を超えると、超えた部分の年金の『半額』が支給停止(T‐T)
ちなみに、この支給停止がされるのは『厚生年金』のみ。
ですので、国民年金(老齢基礎年金)については、減額されません。
計算式は、こんな感じになります。
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額+総報酬月額相当額-基準額)÷2
・基本月額とは:報酬・賞与との調整の対象となる年金額÷12
もうちょっと踏み込んで書きますと、
・65歳までの年金支給停止額を計算
基本月額=特別支給の老齢厚生年金÷12
・65歳からの年金支給停止額を計算する場合は、
基本月額=老齢厚生年金(報酬比例部分)÷12
となります。
なお、65歳までであっても、65歳以降であっても、基金代行額が存在するケースでは、次の通り、基金代行額も含めて計算します。
・65歳までの年金支給停止額を計算
基本月額=(特別支給の老齢厚生年金+基金代行額)÷12
・65歳からの年金支給停止額を計算
基本月額={老齢厚生年金(報酬比例部分)+基金代行額}÷12
色々なパターンがあってややこしいですね(-_-;)
なので、もっと簡単に出来ないか、とトライしてみました。
2024年現在の支給停止基準額(50万円)を用いて計算してみましょう。
① 「年金の月額 + 賃金」が50万円以下の場合
支給停止額0円(つまり、年金を全額受給可能)
② 「年金の月額 + 賃金」が50万円を超える場合
支給停止額 =(年金の月額 + 賃金 - 50万円)÷ 2
一番最初に書いた式の単語をわかりやすくし、÷12をカットしてみました。
習うより慣れよの精神で、ちょっと計算してみましょう。
年金の月額が20万円だったと仮定します。
そしてボーナスを含む賃金が40万円だとします。
このケースでは、双方の合計は60万円。
支給停止基準の50万円を超えており、支給停止の条件が発動する訳です。
で、この数値を上記の式にあてはめていきます。
(20万円 + 40万円 - 50万円)÷ 2 = 5万円
この5万円という額が、月々の在職老齢年金から減額される金額になる訳です。
このケースですと、実際に支給される年金は毎月15万円になりますね(20万円 - 5万円=15万円)
で、ここからはよく間違われて解釈されている点をまとめます。
よくある誤解として、調整されてしまった分の年金が、報酬が低くなったときに戻ってくる、という誤解ですね。
残念っ! 戻ってきません( ノД`)シ
カットされた年金はその後報酬が下がったからといって戻ってくるという仕組みが存在しないんです。
これは法律上は『年金の調整』を『支給停止』と表現しているので、停止された分は戻ってくるのではないか、と受け手側(私たちですね)に考えられることにありますが、そういう解釈ではないんですね……
あと、在職老齢年金制度で報酬(給料やボーナス)の対象となるものは、『厚生年金に加入している事業所からの報酬』のみに絞られることです。
もうちょっとわかりやすく例示してみますと、貴方が複数の会社に勤務している、と仮定します。
複数の会社から収入を得ている状況なんですけど、1つは日雇いの会社なので貴方は厚生年金の対象になっていません。
3つ勤めている会社のうち、厚生年金に加入している2つの会社からの報酬は、在職老齢年金のカットの対象となる報酬には含まれますが、日雇いの会社は厚生年金の対象外ですのでこちらは在職老齢年金のカットの対象外、となる訳です。
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