私が40代なのに終活についてのブログを書いているのは、先手先手と先に動くことで、いざという時に困らないようにしたいという考えからです。
自分や家族の死と向き合うのは中々精神的にキツイものがありますが、元気なうちに色々と話し合いをしておこないと後々大変なことになるものもあります。
例えば、相続。
相続の話をすれば『縁起でもない』と言われそうですが、私の父のようにある日突然、病に倒れてしまうことも有り得ます。
私の父は幸いにも、倒れた後に回復することが出来ましたが……回復後は、自分自身の死について考えているかいないか、ということまではわかりませんが土地やら保険やらといった相続の話についても触れてくるようになりました。
終活という言葉も一般的になっていることから考えても、一種の終活ブームと言って良いでしょう。
書店に行けば終活本が見受けられますし、あるいは葬儀社や金融機関などでも終活や相続のセミナーが行われています。
現在では、相続を取り扱う国家資格の弁護士や行政書士などの他に、民間資格でも相続士や終活アドバイザーといった資格があるほどです。
しかし、終活が流行る一方で単純に喜べない事情もあります。
それは、実効的な終活ができていないケースが見受けられることです。
例えば遺言書の作成。
遺言書の作成は円満で問題のない相続のためには必須ですが、公正証書遺言という形で公証役場で遺言書を作成している人の数は、どうでしょうか?
終活ブームと言われている割には、増加率はそれほど急激なものではありません。
意味のある、お金を残す終活をするには法律的にも効力を持つ対策が必要。
しかしながら、終活で人気があるエンディングノートなどの取り組みやすいものは、法的には意味のないものもあります。
法律要件を満たしているか否かにかかわらず、自分の想いを残すことは、終活をするうえでも、相続でもめないためにも大事なことです。
ただし、法律的な対策を無視した終活を行うと、残された家族は困惑する可能性があります。
終活の入口は、エンディングノートなどの気軽なものでも良いでしょう。
ただし、お金を残すことに関しては、そのような想いだけでは残念ながら不足です。

法的な整備をせずに想いだけを残した終活では、相続が起きたときに問題が起こります。
ちゃんと家族にお金を残せる終活、相続についての知識の必要性を知り、具体的な方法についてここでまとめていきたいと思います。
さて、終活における相続と聞いて、貴方はどんなイメージを持ちますか?
金持ちではない一般家庭であれば相続は関係無い、なんて思っていませんか?
それは大きな間違いだと言えます。何故なら、相続の問題は相続税だけでまとめることが可能な話ではないからです。
相続は、亡くなった人(「被相続人」といいます)が持っていた権利や義務を引き継ぐことを意味します。
その際に、金銭などの資産や土地などの、被相続人の持っていた権利義務の額に応じて相続税が発生します。
何を言いたいかと言うと、財産の多い少ないにかかわらず、相続は発生する訳です。
もっと言ってしまえば、資産がなくて借金があったとしても相続は発生します。
この際に起きる問題は、税金に関する話だけではありません。
例えば、相続が発生した時に家族での内輪もめを防ぐ、というのも相続対策の一つです
……と言うより、火サスとか昼ドラの内容はこういった相続対策をしっかりしていれば防げるような内容が多いよなぁと思うのは私の思い込みでしょうか(-_-;)
家族が揉めてしまう相続を争族、争続などとも呼称しますが、遺言書を残す、事前対策で家族の紛争を防ぐことが、これらの単語が存在するという事実からしても、決して疎かには出来ないことがおわかり頂けるかと思います。
相続が発生したときに、家族円満で全員と連絡が取れる、という状態であればよいですが、相続人同士が断絶状態にあったり、行方不明の家族がいたりすると、その時点で相続手続きが行き詰まってしまいます。
また、相続発生以前は仲のよい兄弟が、相続が発生した途端に態度が急変するというパターンもありますので、現在円満な状態だから大丈夫、という油断は禁物です。
また、相続時点で円満な関係の家族であっても、何かしらの問題が起こる場合も有り得ます。
例えば、相続財産がどこにあるのかわからない。
または、そもそも相続する財産に何があるのかわからない。
そんなことってあるの? と思われるかもしれませんが、父が脳出血で倒れてから相続を含めた終活をはじめた父から、土地の話を聞いたのですが……今まで一度も聞いたことのない負動産(誤字にあらず)の存在をそこではじめて聞かされましたからね(-_-;)
相続の手続きを間違いなく進めるためには、まずは財産の全体像を把握することが不可欠。
しかし、重要書類が保管されていない、保管場所が分散しいる、などの状態にあると財産の全体像を把握することそのものに時間を要してしまいます。
あるいは、相続人のなかに認知症の方がいるケースも有り得ますね。
ただし、認知症の人は物事を判断する能力が欠けているため、財産を分けるなどの大切な話し合いができません。
そのため、代わりに話し合いをする、『後見人』を選んでから手続き開始となりますが、この後見人を選ぶ手続きは半年近くかかる場合もあるので、その間、話は進みませんし、原則として亡くなった人の口座からお金を引き出すこともできません。
相続『税』がかかるのは、一定以上の財産を相続する人だけですので、いわゆる資産家でない限り、相続税の心配は不要。
相続税を払うべき相続は、亡くなった人の6%程度だと言われているので、9割以上の人にとって相続税は関係ない、つまり相続税対策も不要とも言えます。
が、前述したように、資産額がどの程度であろうと、相続そのものは発生しますのでその事前対策は備えておいた方が良いでしょう。
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