介護休暇と介譲休業給付金について

終活

前回は私の職場で介護離職をした『元』先輩の話を絡めつつ、介護離職すると経済状況的には厳しいよ、という話と、介護休業とか時短勤務をうまく活用しよう、という記事を書きました。

今回は、前回の話を踏まえて介護休業とはどんな制度なのかをまとめていきます。

前回の話で出てきた、『要介護状態』
この『要介護状態』についてなんですが、これは負傷、疾病などによって2週間以上、常時介護を必要とする状態を指します。
で、『要介護状態』の家族を介護する会社員は、原則として育児・介護休業法に基づいて、介護休業を取得可能なんです。
もうちょっと突っ込んで書くと、日雇い労働者の場合は除かれ、入社1年以上であることも以前は要件にありましたが、2022年にこの条件は撤廃されています。
対象になる家族は、配偶者(内縁を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫、となります。
つまり配偶者と配偶者の父母を除けば、2親等までの家族が対象範囲となります。
休業できる期間についてですが、対象家族1人につき3回を上限として、通算93日まで。
必要に応じて3回に分け、休業が可能です。
逆に一括で93日まとめて取得することも可能です。

・実家など、自宅から離れて暮らす家族の介護が必要な状況になった
・離れて暮らす介護が必要な家族のために、諸々の準備を整えたい
・老人ホームなどの施設の入居やデイサービスの利用などを検討している場合の準備

などの上記のような条件下で取得可能です。
なお、介護休業の場合は期間が長くなることが多いので、申請する場合は休業開始の「2週間前まで」に事業主や労務担当者、上長話を通して置き、書類で申請しましょう。

介譲休業給付金について

介護休業を取得した雇用保険の被保険者(65歳未満の一般被保険者、65歳以上の高年齢被保険者)は原則、「介護休業給付金」を受給できます。
つまり、普通の会社に貴方が働いていれば、対象となる家族が倒れた際に介護休業を申請すれば、介護休業給付金を受給できます。
給付額については、休業開始前の給与の67%。

会社によっては介護休業中に休業分の日数の給与が支払われる良心的な企業も存在しますが、その場合の給付金は減額、もしくは不支給となります。

休業中に給与が支払われるケースでは、その給与の賃金月額に対する割合によって支払われる額が変動します。

13%以下のケース      休業開始前の給与水準の67%相当額を支給
13%超~80%未満のケース  休業開始前の給与水準の80%相当額までの差額を支給
80%以上          不支給 

それと、介護休業給付金には、上限額と下限額が定められています。
また同一対象の家族について介護休業給付金を受けたことが過去にあるケースでも、異なる要介護状態で再び介護休業を取得した際には介護休業給付金を受け取れます。

ただし、同一の対象家族について受給出来る日数については変わらず、通算93日までです。

介護休暇

さて、ここでわざわざ介護休暇という項目を別に設けて書いている理由があります。
それは、介護休業と介護休暇は別の制度である事実です。
そもそも介護休暇には以下3つの種類があります。
・短時間介護休暇
・介護休暇
・介護休業

申請方法や対象者も違います。
ザックリ説明しますと、介護休暇は、1時間から1日の単位で休暇が取れる制度で、以下のような場合に使用できます。

・急な体調変化があり介護者を病院に連れて行きたい
・介護保険や施設の手続きのために赴く必要がある
・ケアマネジャーとの打ち合わせ

等々ですね。
介護休暇は有給休暇とは別で取得可能。
そのため「有給休暇を使うまでではない」といった状況、あるいは、もうすすでに有給休暇を使い切ってしまった、という時に活用されています。

要介護状態にある対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日を限度とし、時間単位からの取得が可能で、通院等の付き添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続き代行といった事柄にも使用可能です。

勤務時間の短縮などの措置
 
この勤務時間の短縮などの措置については、事業主は以下の制度の内、1つ以上の制度を設けなければなりません。

・短時間勤務制度
・フレックスタイム制度
・時差出勤制度
・介護サービスの費用の助成

法定時間外労働の制限、深夜労働の制限について

介護者が申し出た場合には原則、会社側は所定労働時間を超えて労働させてはいけません。
さらには、申し出があった場合は1ヵ月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはいけないのです。
1年150時間ですから、一ヵ月平均ですと12,5時間。
激務の会社ですと一ヵ月平均12.5時間の残業時間というのは中々な制約です。
加えて、介護者が申し出た場合には、会社側は午後10時~午前5時の労働は行わせてはいけないことになっています

こうやって調べていけばいくほど、会社側からすると『扱いにくい』という印象を受けざるを得ない制度が色々とありますが、親の介護というのは誰もが通る道です。

私の会社の『元』先輩のように、制度を使い倒すことなく退社する必要は無いわけですね。

まして、私のように子どもが一人、かつ父か母のどちらかが介護不可(どちらかがすでに介護を受けている)の状態であれば、子供である私、この記事を見ている貴方が一人っ子なのであれば、貴方がやる必要性が生じる可能性が高いです。

これまでの記事で書いてきたように、貴方自身の老後のためにも、お金の貯蓄は必要ですし、必要な情報、必要な知識をまとめていければ幸いです。

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