成年後見制度をわかりやすく説明

終活

先日、成年後見制度を適用された92歳の方が成年後見取り消しを求めて裁判を起こしていた記事についてまとめたんですが……

成年後見制度ではなく、日常生活自立支援事業を活用すべきだったのではと思います
自治体が認知症を理由に自治体が成年を後見したことを、取り消しを求めて闘った記事についての考察をまとめています。

そもそも成年後見制度はどういうものなのか、ということを私はしっかりとこのブログで扱ったことが無かったので、良い機会ですので取り上げてみようと思いましたm(_ _)m

と言う訳で、成年後見制度をわかりやすくまとめていこうと思います。

成年後見制度は、特に判断能力が低下した場合に本人の権利を保護し、生活や財産を適切に管理することを目的としています。

この制度は、高齢者や障害を持つ方々にとって重要で、彼らが安心して生活できるように支援します。

成年後見制度は、個人が自らの権利を行使できない場合に、信頼できる後見人がその役割を担うことで、必要なサポートを提供するのです。

この成年後見制度には、任意後見と法定後見の二つの形態があります。

任意後見は、本人が事前に選んだ後見人が、本人の意思に基づいて後見するもの。
法定後見は、家庭裁判所によって選任された後見人が、本人の財産や生活を管理するもの。

例えばですが、金融機関での各種取引、不動産の売却、福祉施設との契約をするといったことが必要になっても本人の判断能力がなければいずれの取引・契約も出来ません。

判断能力が低下したときに4親等内の親族や市区町村長からの申し立てにより、家庭裁判所が後見人を選ぶのが法定後見になります。

任意後見と法定後見、いずれも一度後見人になったら簡単にはやめられません。
後見人が病気になったり、遠隔地に転勤してしまうなどの理由で、後見を続けることが難しいと家庭裁判所に認められない限り辞任はできません。

このように、成年後見制度は、本人の状況やニーズに応じて、柔軟に対応できる仕組みとなっています。

また、成年後見制度は単に権利を守るだけでなく、本人の自立を促すための支援も行います。

後見人は、本人ができる限り自分で生活するための支援を行い、社会参加を促す役割も果たします。
成年後見制度は、ただの保護制度ではなく、より良い生活を実現するための支援制度な訳です。

成年後見制度には、多くのメリットがあります。

まず、最も大きなメリットは、判断能力が低下した場合でも、本人の権利が守られることです。

後見人が選任されることで、財産の管理や生活上の重要な決定が適切に行われるため、本人が不利益を被ることを防ぐことができます。これにより、安心して生活することができる環境が整います。

次に、成年後見制度は、本人の生活を総合的に支援する仕組みでもあります。後見人は、財産管理だけでなく、医療や介護に関する決定、日常生活のサポートなど、幅広い分野での支援を行います。

これにより、本人の生活がより豊かになり、社会的な孤立を防ぐことができます。
さらに、成年後見制度は、家族や親族にとってもメリットがあります。

特に、本人が高齢や障害を抱える場合、家族がその管理を担うことは大きな負担となります。

しかし、成年後見制度を利用することで、専門的な知識を持つ後見人が管理を行うため、家族は安心して生活を共にすることができます。これにより、家族の負担軽減や関係の改善が期待できます。

では、デメリットはないのか、という意見が出てくると思うんですが……以前までならデメリットなんてそうそうないでしょう、と答えられたのですが……はい、冒頭の記事のような事態が起こってしまった訳です。

一度成年後見がなされてしまうと、それを解除するのは本人が望んだとしても、裁判でも起こさないと難しい、という点はデメリットとしてあげられるでしょう。

そして、成年後見制度によって得られるメリットがそのままデメリットに反転する訳です。

財産の管理や生活上の重要な決定、医療や介護に関する決定などが、本人の意志を飛び越えて決定されてしまう訳です。

さて、話をメリット・デメリットから成年後見制度に戻しましょう。

成年後見制度の利用状況を把握するためには、基本的な統計データを確認することが重要です。

日本における成年後見制度の利用者数は年々増加しており、特に高齢化が進む中で、その必要性が高まっています。
例えば2020年の時点で、法定後見の利用者数は約30万人を超え、任意後見の利用者も増加傾向にあります。

この増加の背景には、高齢社会の進展や、障害を持つ人々の権利意識の向上があります。

特に高齢者の中には、認知症を患う方が増加しており、その結果として成年後見制度のニーズが高まっています。
また、成年後見制度に関する情報が広まり、利用を検討する人が増えていることも要因の一つです。

さらに、成年後見制度を利用する際の後見人の選任に関するデータも注目されています。

家庭裁判所では、法定後見の後見人として、弁護士や社会福祉士、専門の後見支援員が選任されることが多く、それにより専門的な支援が受けられる体制が整えられています。

これにより、制度の信頼性が高まり、より多くの人々が利用しやすくなっています。

成年後見制度を利用するためには、一定の手続きを踏む必要があります。

まず、成年後見が必要かどうかを判断するために、本人の判断能力の状況を確認します。

判断能力が低下していると考えられる場合、家庭裁判所に申し立てを行います。
この申し立ての際には、医師の診断書や本人の状況を示す資料が求められます。
申し立てが受理されると、家庭裁判所は審理を行い、後見人の選任を決定します。

この過程では、本人の意向や家庭環境、後見人候補者の適性などが考慮されます。

選任された後見人は、家庭裁判所の監督のもとで、本人の財産や生活を管理することになります。
このように、手続きは慎重に行われるため、本人の権利が守られる仕組みとなっています。

手続きが完了した後は、後見人が具体的な業務を開始します。

後見人は、定期的に家庭裁判所に報告を行い、本人の状況を把握することが求められます。
また、後見人は、本人の意思を尊重しつつ、必要なサポートを提供することが重要です。

これにより、成年後見制度が実際に機能し、本人が安心して生活できる環境が整えられるのです。

成年後見制度を利用する際のポイントとして、まずは後見人の選任が挙げられます。

後見人は、本人の生活や財産を管理する重要な役割を担うため、信頼できる人を選ぶことが不可欠です。
任意後見の場合は、自分自身で選ぶことができるため、十分に考慮し、家族や友人とも相談することが大切です。

また、成年後見制度の利用にあたっては、本人の意思を尊重することが重要です。

ここをないがしろにしたがために、先日書いた事件は起こってしまったのではないかと個人的には考えています。

後見人は、本人の意向をしっかりと把握し、その意向に沿った支援を行うことが求められます。
これにより、本人が自立した生活を送ることが可能になり、制度の目的を果たすことができます。

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